キッチンカー(移動販売)開業を考えているなら、ぜひ補助金や助成金の活用を考えましょう。実は、キッチンカー事業者が受けられる補助金・助成金はたくさんあります。上手に利用すれば、資金計画も楽になります。
今回の記事では、キッチンカー事業者が利用できる国や自治体の補助金・助成金のご紹介と、併せて開業の初期費用や運用資金の相場、キッチンカーの開業メリットも紹介します。
開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
キッチンカー(移動販売)開業の補助金や助成金の種類と詳細
補助金や助成金と聞くと、企業のような大きな後ろ盾がある事業なら受けられるイメージがあるかもしれません。しかし、キッチンカーのような個人事業でも問題ありません。キッチンカーの開業時には、以下の4種類の補助金や助成金が受けられます。
- ものづくり補助金
- 創業支援等事業者補助金
- 中小企業庁:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要
- 地域雇用開発助成金
それぞれの補助金・助成金について詳しく紹介していきます。
補助金・助成金を活用するなら確定申告が重要!
補助金や助成金を受け取る場合、確定申告を適切に行うことが非常に重要です。補助金・助成金は、申請や受給後に税務申告の対象となるため、正確な書類準備と確定申告が必要になります。また、税務手続きを効率よく進めることで、事業の経理管理もスムーズに進められます。
補助金や助成金を最大限活用するためにも、事前に確定申告に関する知識を深め、適切な準備を整えましょう。
*コロナウイルス拡大に伴う助成金については次の見出し「キッチンカー(移動販売)が利用できるコロナ関連の補助金や助成金」で紹介をしています。
ものづくり補助金
正式名称 | ものづくり・商業・サービス革新補助金 |
補助金額 | 100~2500万円 |
対象者 | 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人に限る。……等 |
公募要項 | |
公式サイト |
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」、通称「ものづくり補助金」は、中小企業を対象に「ものづくり」「事業革新」「サービス」の分野で国から支給される補助金です。キッチンカーは料理を作る「ものづくり」と、それを販売する「サービス」に該当するため、本補助金の対象となります。
補助金額の範囲
補助金は、機械装置費、技術導入費、原材料費などの対象経費の1/2または2/3が支給されます。キッチンカーの場合、
- 補助金の上限:750万円~2,500万円(従業員数により異なる)
- 補助金の下限:100万円
原則として返済義務はありませんが、収益が上がればその一部を国に納める必要がある場合もあります。補助金の公募は通年で行われ、約3ヶ月ごとに締切が設定されており、事業計画や市場ニーズへの適応度など、多岐にわたる審査基準があります。
補助金申請が受理された後も中間報告や事業完了後の報告が必要なため、応募要領をしっかりと確認し、申請を進めることが重要です。
申請枠 | 従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
製品・サービス高付加価値化枠(通常類型) | 5人以下 | 750万円 | 1/2(小規模・再生事業者は2/3) |
6~20人 | 1,000万円 | ||
21人以上 | 1,250万円 |
※大幅な賃上げを行う場合、補助率は2/3に引き上げ。
【活用事例】地元の特産品を活かした「高級フルーツサンド」で売上30%アップ!
事業背景 地方都市でカフェを経営していたAさん。コロナ禍を経て、新たな収益源を模索する中でキッチンカー事業を計画しました。しかし、単なる移動販売では他店と差別化できないと考え、地元の特産品である高級フルーツを使った「フルーツサンド」と、それに合う高品質なコーヒーを提供するコンセプトを考案。課題は、フルーツの鮮度を保つための特殊な冷蔵設備や、高性能なエスプレッソマシンといった高額な設備投資でした。
補助金を活用した具体的な取り組み そこでAさんは、「ものづくり補助金」の「製品・サービス高付加価値化枠」に申請。「革新的な調理プロセスと新たなサービス提供方法」として、特殊冷蔵による鮮度維持技術と移動販売の組み合わせを事業計画書でアピールしました。見事採択され、補助金を活用して最新設備を搭載したキッチンカーを製作。これにより、他店では提供不可能な、高品質な商品の移動販売が実現しました。
成果 これまでアプローチできなかった都市部のイベントやオフィス街へも出店。SNSで「贅沢すぎるフルーツサンド」として話題となり、連日行列ができるほどの人気店に。客単価も従来のカフェ営業時の1.5倍に向上し、キッチンカー事業を開始して1年で、事業全体の売上を前年比30%アップさせることに成功。新たな事業の柱を確立しました。
(注)補助金の対象や条件によっては申請が受理されない場合があります。申請前に担当窓口にご相談ください。
創業助成事業
名称 | 創業助成事業 |
補助金額 | 100~400万円 |
対象者 | 都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方 |
公募要項 | |
公式サイト |
東京都では、都内での開業率向上を目的に、新規創業者への支援として「創業助成事業」を実施しています。本助成金は、創業初期の事業活動を支援し、安定した経営基盤の確立をサポートするために設けられています。
本助成事業では、都内で新たに事業を開始する個人や法人に対して、事業運営に必要な経費の一部を助成する制度です。助成対象期間は交付決定日(令和7年9月1日予定)から6か月以上2年以内で、事業実施に必要な費用を補助します。
補助金額の範囲
本助成事業には複雑な枠はなく、創業期に必要な経費を幅広く支援する内容となっています。
- 補助金の上限:400万円
- 補助金の下限:100万円
- 助成率:対象経費の 2/3以内
項目 | 内容 |
助成上限額 | 400万円 |
助成下限額 | 100万円 |
助成率 | 対象経費の 2/3以内 |
助成金は後払いとなるため、事業計画を立てたうえで資金繰りの準備が必要です。
助成対象経費
- 事業費(賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費)
- 従業員人件費
- 委託費(市場調査・分析費)
【活用事例】開業時の運転資金不安を解消!広告戦略で早期に事業を軌道へ
事業背景 都内のIT企業で働いていたBさん。長年の夢だった飲食業での独立を決意し、健康志向の強いオフィスワーカーをターゲットにした「ヴィーガン・ブリトー」のキッチンカーを開業することに。自己資金で車両購入の目途は立ったものの、開業後の広告費や人件費、駐車場の賃料といった運転資金に大きな不安を抱えていました。
補助金を活用した具体的な取り組み そこでBさんは、東京都の「創業助成事業」を活用。事業計画書では、都内ビジネス街での具体的な出店計画と、WebやSNSを駆使したデジタルマーケティング戦略を詳細にプレゼンしました。無事採択され、助成金を活用。Webサイト制作やSNS広告(広告費)、アルバイトスタッフの人件費、キッチンカーの駐車場代(賃借料)に充当することができました。
成果 助成金によって開業初期の運転資金を確保できたことで、資金繰りの心配なく事業に集中。計画通りに広告宣伝を積極的に行った結果、ターゲット層に的確にアプローチでき、開業からわずか半年で安定した売上基盤を確立しました。Webサイト経由でのイベント出店依頼も舞い込むようになり、開業1年で目標売上を達成。2号店の出店も視野に入れるなど、順調なスタートを切ることに成功しました。
中小企業庁:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要
募集時期は毎年春頃の1か月間ですが詳細は毎年変わります。事前に申請予定の役所または中小企業庁のサイトで確認しましょう。
地域雇用開発助成金
名称 | 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース) |
補助金額 | 50~800万円 |
対象者 | 設置・整備した施設の雇用保険適用事業主であること・ 各支給要件判定期間に、事業所で雇用する被保険者を解雇等事業主の都合により離職させていないこと……等 |
公募要項URL | |
公式サイトURL |
「地域雇用開発助成金」とは厚生労働省が行う助成金で、雇用機会が少ない地域や若年層や壮年層の流出が激しい地域、離島などでの開業者を対象にしています。助成金額は50万~800万円で、対象地域は厚生労働省のホームページ、または管轄の労働局で確認できます。申請条件は、対象地域で創業し、その地域に居住する2人以上を雇い入れること。
また、設備や対象地域の求職者の雇用などを考慮して、最大3回まで申請できます。「地域雇用開発助成金」は地域の雇用を促進するための助成金だと十分に理解した上で、申請をするかどうか決めましょう。
補助金額の範囲
本助成金は、設備投資額と雇用した労働者数に応じて、1年ごとに最大3回にわたって支給されるのが特徴です。
支給回 | 支給額(1回あたり) | 備考 |
1回目 | 50万円~800万円 | 設備・整備費用と対象労働者の増加人数に応じて決定 |
2回目 | 1回目の支給額の 1/2 | 1年経過後、雇用の維持などを条件に支給 |
3回目 | 1回目の支給額の 1/4 | 2年経過後、雇用の維持などを条件に支給 |
【活用事例】Uターン創業で地域貢献!助成金を活用し雇用創出と事業成長を両立
事業背景 雇用機会の減少が進む地方都市出身のCさん。地域を元気にしたいという想いでUターンし、地元の新鮮な農産物をふんだんに使ったピザを提供するキッチンカー事業を計画しました。事業を通じて地域の魅力を発信すると同時に、若者の働き口を創出したいという強い目標がありましたが、ピザ窯を搭載した特殊車両の製作費と、人件費の確保が大きな課題でした。
補助金を活用した具体的な取り組み Cさんは自身の地元が「地域雇用開発助成金」の対象地域であることを確認し、申請を決意。事業計画では、キッチンカーの設置計画と共に、地元ハローワークを通じて地域在住の若者を2名、正社員として雇用することを明記しました。計画が認められ採択。助成金を活用して、念願だったピザ窯付きキッチンカーの製作費用の一部を賄い、さらに雇用したスタッフ2名の人件費負担も大幅に軽減することができました。
成果 地元の新鮮な野菜を使ったピザは「ここでしか食べられない味」として評判を呼び、地域のイベントに欠かせない人気店へと成長。「地元の若者を雇用しているお店」として地域住民からも温かく応援され、安定した経営基盤を築くことに成功しました。Cさんは事業を通じて地域貢献と自身の事業成長を両立させ、初年度の支給に続き、2年目の助成金も申請。現在はさらなる事業拡大を目指しています。
【令和7年度新設】中小企業新事業進出促進事業
これまで多くの事業者の新たな挑戦を支えてきた「事業再構築補助金」が令和6年度で終了し、その後継制度として「中小企業新事業進出促進事業」が令和7年度(2025年度)から開始される見込みです。
この新制度は、従来の事業再構築の枠組みから、より「新たな市場への進出」に焦点を当てたものになると予想されており、キッチンカー事業のような新規事業への挑戦を強力に後押しする支援策として注目されています。
キッチンカー事業が補助対象となり得るための重要条件
本事業では、単に新しい事業を始めるだけではなく、いくつかの重要な要件を満たすことが求められる見込みです。キッチンカー事業で申請を検討する場合、以下の3つのポイントを事業計画に盛り込む必要があります。
- 新規性(新商品・新サービス要件) これまでの事業で提供してこなかった、全く新しい商品やサービスであることが必要です。 (例) 居酒屋を経営している事業者が、店舗では提供していない「ヴィーガン向けラーメン」を専門とするキッチンカーを新たに始める。
- 新市場性(市場新規性要件) 既存事業の顧客層とは異なる、新しい市場・顧客層を開拓する事業であることが求められます。 (例) 地域のファミリー層を主なお客様としていたレストランが、キッチンカーで都心のオフィス街に進出し、ビジネスパーソンを新たなターゲットとしてランチ販売を行う。
- 売上構成比(新事業売上高10%以上構成比要件) 事業計画の終了後、キッチンカー事業の売上が、事業全体の売上の10%以上を占める計画であることが必要とされます。これは、新規事業を「事業の新たな柱」として本格的に育成する意志があることを示すための重要な要件です。
補助額・対象経費(想定)
制度の詳細は今後発表される公募要領で確定しますが、これまでの傾向から以下のような内容が予想されます。
- 補助額:最大1,500万円~(事業の枠や規模により変動)
- 補助率:1/2 ~ 2/3
キッチンカー事業で活用する場合、以下のような経費が対象となる可能性があります。
- 車両費:キッチンカー本体の購入費、改造費
- 機械装置・システム構築費:調理設備(オーブン、フライヤー等)、POSレジシステム、予約サイトの構築費
- 広告宣伝・販売促進費:Webサイト制作費、SNS広告費、チラシ・メニューのデザイン費、出店イベントへの登録料
- 研修費:新メニュー開発のための調理研修費用
特に、高額になりがちな車両費が対象経費に含まれる点は、事業者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
申請に向けた注意点
- 事業計画書の重要性 採択されるためには、前述の3つの要件(新規性、新市場性、売上構成比)をいかに満たしているかを、データに基づいて説得力をもって説明する事業計画書が不可欠です。
- 公募要領の確認は必須 本記事の内容は現時点での想定情報です。制度の正確な内容、申請期間、要件については、今後、中小企業庁から発表される正式な公募要領を必ず確認してください。
- 専門家への相談 事業計画書の作成や複雑な申請手続きに不安がある場合は、中小企業診断士や行政書士といった専門家へ相談することも有効な手段です。
この新制度は、明確なビジョンと戦略を持って新たな市場へ挑戦する事業者にとって、非常に強力な追い風となります。今のうちから情報収集を進め、ご自身の事業計画を練り始めてみてはいかがでしょうか。
キッチンカー(移動販売)が利用できる補助金や助成金の例
新型コロナウイルスの拡大以後、キッチンカー事業に業態転換を行う飲食店への助成金制度も、複数創設されました。・全 国:小規模事業者持続化補助金・東京都:業態転換支援事業・その他:地域ごとの補助金それぞれ解説していきます。
全国「小規模事業者持続化補助金」(2025年公募前)
名称 | 小規模事業者持続化補助金 |
補助金額 | 〜50万円 |
対象者 | ・小規模事業者であること・認定特定非営利活動法人でないこと ……等 |
公募要項 | 公募前 |
公式サイト |
全国的な幅広いエリアが対象となるのが「小規模事業者持続化補助金」です。新型コロナによる事業活動への影響を乗り切るために創設された制度で、新たな販売先の開拓に取り組む事業者への支援を図ることを目的としています。
例えば、テイクアウト向けの商品を販売するためにキッチンカーを導入する場合や、メニュー表を新しくする場合などが対象になります。金額は通常50万円までが上限ですが、コロナ特別対応型では上限100万円までの補助が受けられます。2021年の受付期間は6月4日〜10月1日(金)になっていますので、忘れずに申請をしましょう。
富山県:<南砺市>南砺市創業チャレンジ支援事業補助金
名称 | 南砺市創業チャレンジ支援事業補助金 |
補助金額 | 〜10万円 |
対象者 | 南砺市内に在住し、南砺市で起業・開業を目指す者(第二創業を含む)または創業3年以内の者 |
公募要項 | |
公式サイト |
「南砺市創業チャレンジ支援事業補助金」は、南砺市で新たに創業する方や創業間もない方を対象に、キッチンカーやレンタルスペースの使用料・賃貸料を補助し、お試し出店を支援する制度です。
大阪府狭山市:移動販売等導入事業補助金(申請期限随時延長)
名称 | 移動販売等導入事業補助金 |
補助金額 | 補助率:1/2(上限30万円) |
対象者 | 大阪狭山市で新たにキッチンカーなどによる移動販売を開始する中小企業または個人事業主 |
公募要項 | |
公式サイト |
大阪府狭山市の事業者向けの補助金が「移動販売等導入事業補助金」です。大阪府狭山市内で新たにキッチンカー又は移動販売車を導入して移動販売を実施する中小企業・個人事業主に対し、導入に係る経費の一部を補助する制度です。
上限は30万円で、かかる費用の1/2の補助が受けられます。キッチンカーの購入費・改造費、設備導入経費が対象となります。詳細は公式サイトにてご確認ください。
福岡県久留米市:久留米市販路開拓促進事業費補助金:キッチンカー導入事業(申請期限令和6年12月27日)
名称 | 久留米市販路開拓促進事業費補助金:キッチンカー導入事業 |
補助金額 | 補助率:1/2(上限30万円) |
対象者 | 市内に事業所を置く中小企業・個人事業者で、新たにキッチンカー事業を開始する者 |
公募要項 | |
公式サイト |
福岡県久留米市の事業者向けの補助金が「久留米市販路開拓促進事業費補助金:キッチンカー導入事業」です。福岡県久留米市で新たにキッチンカー又は移動販売車を導入して移動販売を実施する中小企業・個人事業主に対し、導入に係る経費の一部を補助する制度です。
上限は30万円で、かかる費用の1/2の補助が受けられます。キッチンカーの購入費・改造費、設備導入経費が対象となります。詳細は公式サイトにてご確認ください。
北海道愛別町:愛別町商工業活性化支援事業(申請期限随時延長)
名称 | 愛別町商工業活性化支援事業 |
補助金額 | 補助率:1/2以内(上限100万円) |
対象者 | 町内を拠点として事業を行う小規模事業者(個人又は法人) |
公募要項 |
北海道愛別町の事業者向けの補助金が「愛別町商工業活性化支援事業」です。福岡県久留米市で新たにキッチンカー又は移動販売車を導入して移動販売を実施する中小企業・個人事業主に対し、導入に係る経費の一部を補助する制度です。
上限は100万円で、かかる費用の1/2以内の補助が受けられます。詳細は公式サイトにてご確認ください。
補助金だけじゃない!キッチンカーの資金調達方法
補助金以外の選択肢として、日本政策金融公庫や銀行からの融資を紹介してください。それぞれのメリット・デメリットを比較解説し、ユーザーが自身の状況に合わせて最適な方法を選べるように情報を提供する内容をお願いします。
補助金は魅力的な選択肢ですが、採択の不確実性や後払いという特性から、融資による自己資金の確保はキッチンカー開業において不可欠です。ここでは、創業者にとって代表的な資金調達先である「日本政策金融公庫」と「銀行・信用金庫」からの融資について、その特徴を比較解説します。
① 創業者・中小企業の強い味方「日本政策金融公庫」
日本政策金融公庫(日本公庫)は、国が100%出資する政府系の金融機関です。特に創業者への支援に力を入れており、キッチンカーを開業する方の多くが最初に相談する融資先です。
- メリット:民間金融機関に比べ金利が低い傾向にあり、一定の要件下では無担保・無保証人で融資を受けられる可能性があります。また、過去の実績よりも事業計画の将来性を重視してくれるため、創業者に非常に有利です。
- デメリット:創業計画書などのしっかりとした書類準備が必要で、申し込みから融資実行まで1ヶ月〜2ヶ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュール管理が求められます。
② 事業拡大のパートナー「銀行・信用金庫」
都市銀行や地方銀行、地域に根差した信用金庫など、身近な金融機関からの融資です。創業直後の融資はハードルが高いですが、事業が軌道に乗ってからの強力なパートナーとなり得ます。
- メリット:事業実績が認められれば、公庫よりも高額な融資が期待でき、事業拡大の際に頼りになります。また、既存の取引関係があれば、審査がスピーディーに進むこともあります。
- デメリット:審査のハードルが高く、実績のない創業者には厳しいのが現実です。金利も公庫より高くなる傾向があり、多くの場合、保証人や担保が必要となります。
【比較表】公庫 vs 銀行融資 あなたに合うのはどっち?
比較項目 | 日本政策金融公庫 | 銀行・信用金庫 |
審査の難易度 | 比較的やさしい(創業者向け) | 厳しい(実績重視) |
金利 | 低い傾向 | 高い傾向 |
融資スピード | やや時間がかかる(1〜2ヶ月) | 取引実績があれば比較的速い |
担保・保証人 | 原則不要の制度あり | 原則必要(保証協会付など) |
主な対象者 | 創業者、中小企業 | 実績のある中小企業など |
あなたの状況に合わせた最適な選択は?
- これから初めて開業する方 → まずは「日本政策金融公告」への相談が王道です。創業者向けの制度が充実しており、最も現実的な選択肢と言えます。
- すでに飲食店経営の実績があり、事業を拡大したい方 → 公庫と並行して、取引のある「銀行・信用金庫」への相談も有効です。
どちらの融資先に相談するにせよ、成功の鍵は「具体的で説得力のある事業計画書」です。事業への熱意と計画をしっかりと書類に落とし込むことから、資金調達の第一歩を始めましょう。
キッチンカー(移動販売)開業に必要な初期費用と運用資金
キッチンカーで開業を目指すには、どれほどの資金が必要になるのでしょうか。ここでは開業に必要な初期費用の相場のほかに、開業後に必要な運用資金の相場も併せて紹介します。
キッチンカー(移動販売)の開業費用は300万円〜500万円前後
キッチンカーの開業費用は300〜500万円ほどが相場です。ただし長期的に見た時に、新車なのか中古車なのか、軽自動車なのかトラックなのかでも、コストが変わる点は気をつけたいポイント。キッチンカーとして使える中古車を改造して使用する場合、初期費用は抑えられますが、継続的な経営をする上で故障のリスクや修理コストが上がります。
一方で、新しくキッチンカーを購入する場合は、初期費用が高くなりますが故障のリスクや修理コストは格段に下がります。さらに初期費用には、調理器具やトレー・カップなどの使い捨て容器の購入費用、看板やチラシなどの販促品を製作する費用も必要です。もし、食品衛生責任者の資格取得がこれからなら、講習費用として1万円がかかります。
当メディアを運営するMellowが提供する開業パッケージ「フードトラックONE」なら、初期費用162万〜でフードトラックを開業できます。もし、開業資金に不安を感じているなら、一度セミナーで話をきいてみませんか?
毎月かかる運転資金
キッチンカーの開業後には、運転資金が毎月必要です。キッチンカーの駐車場料金と保険料、商品の仕入れや使い捨て容器の仕入れ費用、販促品などの購入費用に運転資金があてられます。また、キッチンカーでは、ランチ営業やイベント会場など、さまざまな営業場所で使用料が発生します。、料金は日ごとに支払うのが一般的です。
販売前の保健所での許可申請料
キッチンカーで開業を始める前には、保健所で販売許可を得なくてはなりません。すでに調理済みの食品を売る場合とその場で調理する場合で必要な許可が違い、自治体によっても詳細は異なるため、開業前には開業予定地を管轄する保健所に問い合わせて確認します。なお、許可申請には2万円ほどの申請料がかかります。
キッチンカー(移動販売)のメリット3つ
ここまで、助成金や開業資金などについて解説してきました。この見出しでは、キッチンカー(移動販売)のメリットについて紹介していきます。
開業費用が安い
キッチンカー開業のメリットは、開業費用が比較的低いことです。キッチンカーの開業資金は300〜500万円が相場なのに対して、小規模な飲食店でも開業資金には1000~1500万円がかかると言われています。キッチンカーは通常の飲食店のように固定店舗を持たない分、コンパクトで起業しやすいのも大きなメリットです。
営業時間・場所の自由度が高い
サラリーマン人生にピリオドを打ち、最初の事業としてキッチンカーを選ぶ方が増えています。キッチンカーは通常の飲食店のように固定店舗を持たない分、コンパクトで起業しやすいのも理由のひとつ。しかしライバル店の出現や天気次第で集客率も変わるキッチンカーでは、継続的に利益を出し、長期的な運営が難しい一面もあります。通常の起業同様、しっかり事業計画をすることが大切です。
感染症の影響を受けづらい
キッチンカーは屋外で営業するため、新型コロナの感染を抑止するために政府が提言した3密(密閉・密集・密接)を避けることができます。店舗内での飲食ではないためお客さんも利用しやすいことに加え、固定店舗のように地代家賃がかからず固定費も抑えることができるのでコロナによる影響は比較的少なく済むでしょう。今後イベント会場などの出店は必然的に減ることになりますが、オフィスや住宅地などお客さんの生活圏でできたての食事を提供できるキッチンカーは、非常事態に強い事業として今後も注目されるのではないでしょうか。
補助金や助成金を使えばキッチンカー(移動販売)開業までの近道に
今回の記事では、キッチンカーの開業の際に申請できる補助金や助成金をご紹介しました。キッチンカーの開業には初期費用としてまとまったお金が必要ですが、補助金や助成金を使うことができれば開業へのハードルも低くなります。ぜひ、最大限に活用しましょう。
キッチンカーの開業や運営に役立つ補助金や助成金は今後も追加される可能性があるため、出店を計画している地域の最新情報を定期的にチェックすることをお勧めします。
キッチンカーに関する主な記事
移動販売ビジネスの拡大により、キッチンカーの人気が高まっています。
新しい営業スタイルの確率を考える飲食店が増えています。
あなたが街中で外食先を選ぶとき、どういった観点でお店を選びますか?
キッチンカーは設備があればそのまま営業できるわけではなく、営業許可の取得が必要です。
開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
キッチンカーの開業相談
➡️ 詳細を見てみる
キッチンカーの出店場所をお探しの方
➡️ 詳細を見てみる
執筆者:Mellow編集部
キッチンカーマガジンは、キッチンカー(フードトラック)に特化した情報を発信する専門メディアです。導入事例や経営ノウハウ、営業に関する手続きまで幅広く網羅しており、これから始める方や運営中の方に役立つ実践的な情報が満載です。